横浜あら!あれ!パッケージのグラフィック

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晴 のち あられ

横浜あら!あれ!

あ、ら、れ、の3文字を、コピーライターの頭のなかで、マージャン牌のようにガチャガチャとかき回し、並べてみたら「あら!あれ!」となった。女性形の感嘆詞が2つ重なって、いかにもうまそうなおどろき。これを商品のネーミングとした。
あられは、餅をサイの目などに細かく切って干したあと、焼いたり、煎ったり、揚げたりして味を付けたもので、江戸の文政期ころ(1818~29年)しょう油の普及とともに商品化された。意外や!文明開化、舶来上等の横浜で、明治の中ごろから時流にくみせず、せんべいを焼く専門店があった。そんな流れをくむ美濃屋とコラボした「あら!あれ!」は、もち米100%で、濃口のしっかりした味付け。 黒地に白字のキャラメル箱もなかなか。帰りの観光バスなどで、ビールのおつまみかなにかに開いたとき、揺れてもこぼれにくい気くばりがみられる。

ところで、あられの代表格、柿ピー発祥の地が帝国ホテルだと聞けばちょっとおどろき!戦後ホテルがGHQに接収されていた当時、メインバーで出していたピーナッツのコストがかさむので、支配人たちの話しあいで柿の種をまぜることにしたのが内幕。現在は新潟産の柿の種と茨城産のピーナッツを、1斗缶を使って7対3の割合で混ぜあわせているそうだ。(村松友視「帝国ホテルの不思議」より)

文:蟻田善造

蟻田善造[コピーライター]

1929年~2016年
高島屋宣伝部を経て、日本デザインセンター設立に参加。トヨタ自動車、伊勢丹、東芝などのクリエイティブ・ディレクションとコピーライティングを担当。日本の広告界の草創期をつくる。
1977年、株式会社二人のデスク設立。主なクライアントに宅配便のフットワーク社、フランス菓子店のアンリシャルパンティエ、デリカテッセンのロックフィールド社など。 いずれも、商品開発からプロモーション、店頭ディスプレイまで。コピーライティングだけでなく、ジャンルを越えたトータルデザインのディレクターでもある。

蟻田善造氏が写るモノクロ写真
横浜あら!あれ!3種の写真

横浜あら!あれ!

海苔を散らせた「花」、ゴマを練りこんだ「筏」、黒こしょうをまぶした「奴」、3種各70g 他にセットもあります。

3種各70g 価格:各388円(税込)

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